柔道のルールが2025年4月から新しくなりました。このガイドでは、小学生のみなさんが安全に楽しく柔道を続けるために必要な変更点を、わかりやすく説明します。お友達と話すときや練習するときに役立つ情報をまとめました。
新しいポイント制度の基本
3段階評価が復活
柔道の試合で技をかけると、「一本」「技あり」「有効」の3種類の評価がつくようになりました。これはお父さんやお母さんが子どもの頃にあったルールが戻ってきたものです。
一本は「パーフェクトな技」で、試合がすぐに終わります。畳にバタンと背中を打ち付けるような大きな投げ技がこれに当たります。「技あり」は「とてもいい技」で、今までと同じように2回続けると「一本」になります。新しく加わった「有効」は「ちょっといい技」という意味で、例えば相手を横に倒したときや、少しだけ抑え込んだときにもポイントがもらえます。
抑え込みの時間変更
相手を抑え込む時間によってポイントが変わりました:
- 20秒間抑えると「一本」(試合終了)
- 10秒で「技あり」(今までと同じ)
- 5秒で新しい「有効」ポイント
この変更で、短時間の抑え込みでもポイントがもらえるようになりました。練習のときから「5秒数える」くせをつけておくと良いでしょう。
小学生に特に重要な安全ルール
禁止されている技
小学生の試合では、次の技が危ないので使ってはいけません:
- 関節技:相手の腕や足をひねる技(例:腕緘)
- 絞め技:首を絞める技(例:三角絞め)
- 逆背負い:別名「韓国背負い」と呼ばれる特殊な投げ方
- 両膝つき背負投:最初から両ひざを畳につけて行う背負い投げ
これらの技を使うと、審判の先生に「反則」を宣告され、相手にポイントが入ってしまいます。練習中にもこれらの技をかけないように注意しましょう。
新しい組手ルール
袖の中に指を入れる行為についてルールが変わりました。国際ルールでは認められるようになりましたが、小学生の試合では「危ないから」という理由で引き続き禁止されています。例えば:
- 立っているときに相手の袖の中に指を入れる
- 寝技のときにズボンの裾に指をかける
これらの行為をすると、審判の先生が「待て!」と試合を止めて、注意(指導)を与えます。
投げ技の新しい決まり
安全な投げ方のポイント
投げ技をかけるときのルールが少し変わりました。特に重要なのは次の2点です:
- 首を抱えて投げない:相手の首だけを抱えるようにして大外刈りなどをかけると反則になります
- 両袖を持ったまま投げない:両方の袖をぎゅっと握ったまま投げ技をかけるのは危険なので禁止されています
良い投げ方の例としては、片手で襟を持ち、もう片方の手で袖を持つ「基本の組手」から技をかけるのが安全です。先生に正しい持ち方を教えてもらいましょう。
足技の注意点
帯より下を触るルールが緩和されましたが、小学生ではまだ難しい部分があります。例えば:
- ももの付け根(内股上部)までなら触ってもOK
- 膝より下を触ったり、足を引っ掛けたりするのはダメ
内股や払腰をかけるときは、おへその高さくらいまで手を持っていくようにしましょう。
安全に練習するためのアドバイス
新しいルールでの練習方法
- 「有効」を意識:小さな技でも5秒抑え込む練習
- 安全な投げ方:先生の見本をよく見てまねる
- 反則技の確認:禁止技のリストを道場に貼っておく
困ったときの対処法
試合中に「これって反則?」と思ったら、すぐに審判の先生に質問しましょう。ルールブックを持ち歩く必要はありませんが、主要な変更点は柔道ノートにメモしておくと便利です。
保護者の方へ
お子様がルールを正しく理解できるよう、次の点をご協力ください:
- 道場に掲示された新しいルールを一緒に確認
- 試合動画を見ながら「これは有効だね」と話し合う
- 禁止技を家庭でまねしないよう注意
このルール改正は、子どもたちが安全に柔道を楽しむために作られました。新しいポイント制度で、小さな成功体験を積み重ねながら、楽しく柔道を続けていきましょう!
(注)このガイドは2025年4月1日時点のルールに基づいています。今後の変更については、日本柔道連盟の最新情報をご確認ください。
参照URL:https://www.judo.or.jp/news/16767/
参照URL:PDFファイル
高屋柔道教室解説用スライド
こちらは高屋柔道教室で実施時に使用したルール改正説明用のスライド資料です(手書きで分かりやすい!!)。より具体的に詳しく分かりやすく説明してくれました!




















